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EXILE TRIBEの若手「PSYCHIC FEVER」のアジアでの“バイラル1位”ヒットが持つ意味

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99.9 Psychic Radio』発売中(LDH Records)

 EXILEのスピリットとDNAを受け継ぐ「EXILE TRIBE」。三代目J SOUL BROTHERSやGENERATIONSを筆頭にLDHのボーイズグループが名を連ねるが、2023年には大型オーディション『iCON Z 〜Dreams For Children〜』から4グループが誕生・デビューしたこともあり、“from EXILE TRIBE”の名を背負うグループはついに2ケタに突入した。

 ボーイズグループ戦国時代と言われるいま、LDH内だけでも切磋琢磨が一層求められる時期にあると思われるが、こうした中、この冬に目覚ましい躍進を見せた若手グループがいる。7人組ボーカルパフォーマンスグループ、PSYCHIC FEVER(サイキック・フィーバー、略称はサイフィ)だ。

 もともと「グローバルアーティスト」を目指していたPSYCHIC FEVERだが、今年1月19日にJP THE WAVYプロデュースのEP 『99.9 Psychic Radio』 をリリースしたところ、「Just Like Dat (feat. JP THE WAVY)」が2月頃からアジアを中心にバイラルヒットを巻き起こした。TikTokでの総再生回数は3月頭時点で1億回を突破。YouTube上のミュージックビデオの再生回数は3月下旬に1000万回再生を超え、彼らの代表曲になったと言える人気ぶりだが、注目したいのはSpotifyにおける「月間リスナー」数の爆発的な伸び方だ。

 月間リスナーとは、過去28日間の合計リスナー数で、毎日更新される。このリスナー数はユニーク数であり、ひとりのリスナーがそのアーティストの楽曲を月内に何曲も聴いたところで、カウントされるのは「1」となる。つまり月間リスナーの増加は、そのアーティストのリーチが拡大しているという状況を意味するだろう。公式プレイリストや人気プレイリストに楽曲が多くピックアップされるなど、新規にそのアーティストに触れる機会が増しているということでもある。また性質上、月間リスナー数は増減があるが、中長期的に推移を見ることで、ファンダムの拡大(縮小)がうかがえるものでもある。

 PSYCHIC FEVERの月間リスナーは、『99.9 Psychic Radio』リリース時点では10万台だったのだが、2月19日に20万を突破したのを皮切りに、2月28日に30万突破、3月5日に40万突破、3月8日に50万突破、3月13日に60万突破、3月21日に70万突破と、わずか1カ月で+50万も伸びている(4月10日朝時点ではやや微減して69.9万)。特に3月5日~8日の期間はわずか3日で+10万という勢いなのは目をみはるものがある。月間ユーザー数だけで見れば、先輩グループを抜き去ってEXILE TRIBEトップとなる数字であり、PSYCHIC FEVERはこれを正式デビュー(2022年7月13日)からわずか1年半、プレデビューから数えても2年半で達成してしまったのだ。

マレーシア1位を筆頭にアジア各国のSpotifyバイラルチャートで好成績

 この月間ユーザーの爆増を裏付けるように、PSYCHIC FEVERの「Just Like Dat」は2月から3月にかけて東アジア各国のSpotifyバイラルチャートで存在感を放った。

 TikTokで注目を集めた「Just Like Dat」はまずマレーシアで火が点き、2月10日にバイラルチャートで4位に初登場。同12日には3位に上昇し、18日までその座をキープすると、19日には2位へ。翌日は3位に一度下降するものの、21日にはついに首位に到達し、3日間トップの座に君臨。その後もしばらく上位をキープしており、トップ5滞在期間は実に23日となった。同様にシンガポールでも2月11日に5位に初登場し、トップ5に計21日間滞在している(最高位は2位)。

 ほかにもフィリピンではトップ5入り(最高位は4位)、タイではトップ10入り(最高位は9位)。香港でトップ20(最高位は16位)、台湾でトップ30(最高位は28位)、韓国でトップ50(最高位は46位)など、各国でバイラルヒットを記録したのだ。

 日本ではマレーシア同様に2月10日が初登場。30位でのデビューだったが、グループとしてこれまでで最も高いデビュー順位となった。また本邦では、一度順位が下降してもふたたび盛り上がるスパイクが3度あったのが興味深いが、2月10日から4月1日まで52日間連続でトップ100内に入るという、他国に比べて息の長いヒットになっている(最高位は12位)。

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 この背景には、TikTok JapanとSpotify Japanが毎月ひと組のアーティストを選んでプッシュする『Buzz Tracker』第24弾(3月)に選ばれているということも影響しているだろう。日本でのSpotifyバイラルチャート最高位12位は『Buzz Tracker』選出直後に到達している。なお、『Buzz Tracker』でこれまでボーイズグループが選ばれた例は、&TEAM(第10弾、2023年1月)とBE:FIRST(第12弾、2023年3月)のみであり、PSYCHIC FEVERは3組目。LDHアーティストでは初の快挙となる。

 また、反響はアジアだけに留まらない。PSYCHIC FEVERは公式YouTubeチャンネルで、「Just Like That」へのリアクション動画をプレイリスト化しているのだが、これを見るとアメリカなどからの反応も少なくない。加えて、ビルボードジャパンによる、世界各国でヒットしている日本の楽曲をランキング化した国別チャート「Japan Songs」では南アフリカでトップ20入りしたことも。メンバーのJIMMYがナイジェリア人の父親を持つミックスということで、ナイジェリア方面から反響があったようだ。なお、グループにはモロッコと韓国のミックスであるWEESAもいるが、JIMMYによるとモロッコからも応援メッセージが届くという。多国籍なバックグランドを持つグループの特性が反映された結果ともいえるだろう。(P2〈トレンドを巧みに取り入れたキャッチーな楽曲〉へ)

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