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『海のはじまり』独走変わらず、『夫の家庭を壊すまで』はトップ3入り…TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2024年3月には月間動画再生数が4.5億回、同1月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)が3500万の過去最高記録を更新するなど成長は右肩上がりで続いており、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は7月27日(土)~8月2日(金)までを観測した結果をお伝えする。

『海のはじまり』4週首位独走、『カテコワ』はついにトップ3入り

 今回の結果は以下のとおり。

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 相変わらず強いフジテレビ月9ドラマ『海のはじまり』は今週も2位のTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』に100ポイント以上の差をつけて余裕の首位キープ。これで4週連続の1位となった。

 『海のはじまり』は、FODを含む「見逃し配信」で7月31日までで累計再生回数は2873万回再生を記録。現状第3話まで配信されているTVer独占スピンオフドラマ『兄とのはじまり』だけで累計418万回となっている。お気に入り登録者数は169.8万(8月3日0時時点/以下同)と変わらず伸び続けており、今期の覇権ドラマの座は揺るがない勢いだ。

 『ブラックペアン』は前週比10ポイントダウンとなるものの本人気ランキング2位の座をキープ。3週連続で2位と安定しているが、今週3位になったのはテレビ東京ドラマプレミア23『夫の家庭を壊すまで』だ。

 深夜ドラマながらお気に入り登録者数は76.5万に達し、ついにフジテレビ金曜ドラマ『ビリオン×スクール』(74.4万)を抜いて今期ドラマで8位に。7位のTBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(77.1万)にも迫っており、『カテコワ』が今週も約+8万/週ペースで増加しているのに対し、『笑うマトリョーシカ』は+1.6万/週という状況なのを考えると、次週には『笑うマトリョーシカ』も抜き去るだろう。10年以上に渡って妻を裏切り続けた夫への復讐劇は(松本まりかの怪演と共に)ますます盛り上がっており、その勢いが数字にも表れている。

 3~7位はそれぞれ数ポイント差しかないためまだまだ大きく変動する余地はあるが、先週3位の『笑うマトリョーシカ』は前週比38ポイントダウンで今週6位にダウン。TVer再生数ランキングの推移を見ると、総合トップ10滞在期間がわずかに短くなったほか、総合トップ15滞在期間が1日以上減少するなど、やや勢いが落ちている。とはいえ同作は先週、前週比+37ポイントで5位→3位になったことを考えると、元の水準に戻ったともいえるか。

フジ『新宿野戦病院』は右肩下がり、テレ朝『スカイキャッスル』は…

 『笑うマトリョーシカ』より気がかりなのがフジテレビ水曜ドラマ『新宿野戦病院』。一時はトップ3の座にいた同作だが、今週はなんと前週比57ポイントダウンとなり、6位→9位にまで下降。TVer再生数ランキングの推移を見てみると、総合トップ3滞在期間、総合トップ10滞在期間が先週よりわずかに減少しているほか、先週は6日間にわたって総合トップ15内にいたのに対し、今週は総合トップ15内滞在期間は3日強と大幅に減少。トップ15からの脱落が速くなっていることが大きなポイント減につながっている。

 お気に入り登録者数も、先週まで今期ドラマ3位の座をまだギリギリ保っていたが、先週85.5万→今週86.7万と増加幅が+1.2万と少ないため、まだ勢いのあるTBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』(先週84.9万→今週91.5万)に奪われてしまった。増加ペースを考えると、現在お気に入り登録者数で今期5位のテレ朝オシドラサタデー『青島くんはいじわる』(先週78.6万→今週83.2万)にも近々抜かれそうだ。下手をすれば勢いのある『カテコワ』に追いつかれそうでもある。第4話以降、主人公・ヨウコ(小池栄子)の出自や医師免許問題、舞(橋本愛)のもうひとつの仕事といった設定がストーリーに絡み始め、盛り上がってきているだけに巻き返しを期待したい。

 またトップ6内では、7月25日スタートのテレビ朝日木曜ドラマ『スカイキャッスル』が今週初のフル集計で5位に登場。Xの世界トレンド1位を獲得するなど初回の反響は大きかったが、お気に入り登録者数は54.4万と始まったばかりにしてはそこまで大きく伸びておらず、TVer再生数ランキングでも、まだ初回なのにもかかわらず総合トップ10内にいたのが4日しかないなど下落幅が目立った。とはいえ、『梨泰院クラス』のリメイクだった『六本木クラス』は徐々に評判を上げて成功しており、まだまだこれからといったところ。

 もっとも、『六本木クラス』は7月7日スタートと早めに放送開始し、テレ朝ドラマには珍しく全13話で壮大な物語の再現に努めていたが、『スカイキャッスル』は夏ドラマながら7月25日スタートと開始がかなり遅く、同枠のスタンダートである全9話になる可能性も考えられ、原作の韓国ドラマでは(日本配信版は)全36話ある内容をどう再構成するのか気になるところでもある。

 少し前までトップ5はフジテレビ VS TBSとなっていたが、テレ東の『カテコワ』、テレ朝の『スカイキャッスル』が食い込み、いい具合に混戦模様となった。圧倒的な強さを誇るフジがこの夏は絶好調といえるが(TVer・FODでの無料配信で民放歴代最高記録となる月間1億再生をこの7月に記録)、2位争いをTBSとテレ朝が繰り広げることになるだろうか。土ドラ10『マル秘の密子さん』がトップ15圏外(先週16位→今週17位)など全体的に厳しい日テレの奮闘も期待したいが……。

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新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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