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『海のはじまり』10週1位、『西園寺さん』は2位に! TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2024年8月には月間動画再生数が4.9億回、同1月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)が3500万の過去最高記録を更新するなど成長は右肩上がりで続いており、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は9月7日(土)~9月13日(金)までを観測した結果をお伝えする。

『海のはじまり』は10週連続首位、『西園寺さん』は2位に上昇

 今回の結果は以下のとおり。

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 『スカイキャッスル』が9月5日の放送を休止(FIFAワールドカップアジア最終予選のため)した影響で今週(9月7日~13日週)は先週6位から14位にダウン。それに伴い7位以下が順位をひとつずつ上げる結果となったが、全体としてはほぼ動きはなかった。

 今期の覇権ドラマとなっているフジテレビ月9ドラマ『海のはじまり』は今週も1位を制し、これで10週連続の首位に。先週(8月31日~9月6日週)は8月26日の特別編の影響がやや響いていたが、通常回に戻ったことで前週比+14ポイントと勢いを取り戻しており、2位との差がふたたび100ポイント以上開くという圧倒的首位となっている。

 お気に入り登録者数も順調に増え、+3万/週の伸びで14日0時時点で198.3万に到達。16日に第11話、23日に最終回とまだあと2話あるため、200万の大台には余裕で達しそうだ。スピンオフドラマ『兄とのはじまり』を含む見逃し配信(TVer+FOD)は9月2日時点で累計5200万再生を突破しており、TVerのみで4026万再生を記録して2023年10月期(2023年10月1日~12月31日)の総合1位となった『いちばんすきな花』の数字はすでに超えているとみられる。さすがにTVer累計再生数7300万の『silent』の歴代記録には及ばないだろうが、どこまで迫ることができるだろうか。

 今週2位は、先週3位のTBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』がランクアップとなり、先週2位のTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』は今週3位にダウン。差は6ポイントと僅差だが、『西園寺さん』は前週比+8ポイントと手堅く最終回に向けて上昇している一方、『ブラックペアン』は前週比-15ポイントと下げたことが順位交替に大きく影響している。

 『西園寺さん』は今週、同じ火曜放送のテレ朝『南くんが恋人!?』が最終回だった影響でTVer再生数ランキングで首位をめずらしく獲れなかったが、粘り強さを見せて先週よりポイントをアップ。一方の『ブラックペアン』は、TVer再生数ランキングにおける総合トップ5および総合トップ15滞在期間が先週より減るなど勢いが減少。これが15ポイント減の要因となった。第9話ラストでシーズン1の主人公・渡海がついに登場したものの、第10話でも出番は短く、さらに後半の展開がシーズン1をなぞるようなものになっており、やや盛り上がりに欠けたか。『ブラックペアン』は15日に最終回を迎えるが、『VIVANT』の時のように19時~21時に出演俳優をフィーチャーした生放送バラエティが編成されており、最終回を大いに盛り上げようという空気だが、はたして。『西園寺さん』も17日に最終回となるが、来週はどちらが上位に来るだろうか。

 4位は先週に引き続きテレビ東京ドラマプレミア23『夫の家庭を壊すまで』。松本まりか演じる主人公による復讐劇が終わり、第9話からは7年後の第2章に突入してやや賛否を呼んでいるが、前週比-5ポイントと支持は厚い。お気に入り登録者数も+1.6万/週の伸びで97.9万(14日0時時点)に達しており、最終回までに100万に到達する今期4作目の作品となる可能性もありそうだ。テレ東史上最速で見逃し配信の累計2000万再生(TVer+ネットもテレ東の数字)を突破したこのヒット作、どのような結末を迎えるかも気になるところだ。

テレ朝火曜ドラマ『南くんが恋人!?』は最終回週で大幅ポイントダウン

 多くの作品が、『スカイキャッスル』のランクダウンのおかげで今週は順位を上げているなか、10日に最終回となった『南くんが恋人!?』は前週比40ポイントダウンという下げ幅で今週12位へとダウン。TVer再生数ランキングの推移を見てみると、最終回はいつもより好調だったものの、直前の第7話(3日放送)の順位下落が激しく、7日(土)0時に総合13位だったのが、同12時には29位、以降は最終回放送の10日まで30位以下、前日は40位台と振るわなかったことがポイント大幅減の要因だ。

 『南くんが恋人!?』はお気に入り登録者数こそ最高で84.5万と今期ドラマ7位を誇ったが、実は過去シリーズの配信がプロモーションとして実施されていた影響で、7月16日の放送開始より前にすでに46.6万(7月13日0時時点)までに達していた。つまり放送開始前から最終回までで40万も増えておらず、84.5万というお気に入り登録者数は“過去シリーズの人気”というゲタを履いた状態だったというわけだ。そう考えると、本人気ランキングでカンテレ制作の深夜ドラマ『あの子の子ども』よりも順位が下となったのも理解しやすい。同作のお気に入り登録者数は9月14日0時時点で65.6万(9月17日が最終回)、放送開始前は7.1万(6月22日0時時点)であり、放送中に58.5万増やしているからだ。

 次週の9月14日~20日週は、『ビリオン×スクール』(13日よる)を始め『ブラックペアン』『マウンテンドクター』『西園寺さん』『あの子の子ども』『ギークス 〜警察署の変人たち〜』が最終回を迎える。さらにすでに最終回を終えた『笑うマトリョーシカ』『降り積もれ孤独な死よ』『南くんが恋人!?』『新宿野戦病院』がランキング外となるとみられ、次週はランキングに大きな変動が起こりそうだ。

〈先週の記事はこちら〉

新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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