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『ブラックペアン』『西園寺さん』トップ3返り咲き! TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2024年7月には月間動画再生数が4.8億回、同1月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)が3500万の過去最高記録を更新するなど成長は右肩上がりで続いており、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は8月31日(土)~9月6日(金)までを観測した結果をお伝えする。

『海のはじまり』9週連続1位、『ブラックペアン』『西園寺さん』トップ3入り

 今回の結果は以下のとおり。

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 8月26日に特別編を挟んだフジテレビ月9ドラマ『海のはじまり』は、9月2日は予定どおり第9話放送となり、前週比+9ポイントで首位をキープ。これで9週連続の1位となった。

 TVer再生数ランキングを見てみると、週末土日(8月31日~9月1日)はいつもより順位を落とし、8月26日の放送が特別編だったことが響いた格好だったが、第9話放送後の9月3日から総合トップ3内に2日以上、総合トップ5内に3日以上と前週より明らかに勢いが生まれており、通常回の強さが戻った印象だ。お気に入り登録者数は9月7日0時時点で195.8万で、先週からの伸びは+3.4万。全12話で残り3話あるので、ギリギリ200万台に到達しそうだ。

 お気に入り登録者数で今期ドラマで『海のはじまり』に続く2位(125.5万、9月7日0時時点/以下同)にあるのはTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』だが、本人気ランキングでも8月3日~9日週以来、およそ1カ月ぶりに2位に返り咲き。途中でオリンピック関連の放送休止があった影響でポイントが落ちこんだのが主な要因だが、9月1日放送の第8話でついに主人公・天城の出生の秘密が明らかになり、シーズン1の主人公・渡海の待望の登場もあってストーリーが盛り上がっているのも大きいだろう。前週比8ポイント増でひさびさに2位の座に舞い戻った。

 本人気ランキング3位は、お気に入り登録者数で今期3位(106.1万)となるTBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』。先週とほぼポイントは変わらず(1ポイント減)だが、先週5位からの上昇となった。これは先週2位のテレビ朝日木曜ドラマ『スカイキャッスル』が9月5日は放送休止(FIFAワールドカップアジア最終予選のため)で6日にポイントを伸ばせず、今週6位に後退したこと、そして先週3位の『夫の家庭を壊すまで』がやや勢いを落とした結果と言える。

 テレビ東京ドラマプレミア23『夫の家庭を壊すまで』は、前週比21ポイント減で今週4位に。同作はお気に入り登録者数が96.3万に達し、先週の予想どおり、ついに『青島くんはいじわる』(94.9万)を抜き去って今期ドラマ4位となっており、今週の本人気ランキングは1位の『海のはじまり』から5位の『青島くん』まで、奇しくもトップ5はすべてお気に入り登録者数の順となった。

 『カテコワ』は先週、同じ月曜の『海のはじまり』が特別編であったことに加え、第7話が視聴者待望の復讐編となったこともあって前週比13ポイント増となっており、その意味では今週の21ポイント減は本来の水準に戻った……とも考えられる。3位の『西園寺さん』との差もわずか8ポイントではある。だが、先週の+13ポイントと今週の-21ポイントで、まさに8ポイント下落していることを考えると、その下降理由が気になるところだが、9月2日放送の第8話のラストの急展開がやや是非を呼んだからだろうか。新章突入となる第9話が支持されるかどうかで、次週もトップ3争いに加われるかどうかが決まりそうだ。

今期厳しさ目立つ日テレ、『降り積もれ孤独な死よ』は最終回前でも盛り上がらず

 8位以下はほぼ変動なしではあったが、『24時間テレビ』のために日本テレビでは土ドラ9『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』と土ドラ10『マル秘の密子さん』がまたも放送休止(8月31日)となっており、トップ15圏外が常の『マル秘の密子さん』はともかく、『GO HOME』はこの影響で先週15位から今週は37位にダウン。8月17日~23日週から3週連続で14位となっているフジテレビ系『マウンテンドクター』と15位の差は比較的大きく、15位にランクインする作品はコロコロ変わっているが、『GO HOME』は次週ふたたびトップ15に返り咲けるか。

 また日テレドラマでは日曜ドラマ『降り積もれ孤独な死よ』が唯一健闘しているといったところだが、9月8日放送でひと足早く最終回を迎えるものの、前週比5ポイント増で先週13位→今週12位と、残念ながらさして盛り上がりが感じられない。灰川邸事件の犯人が明らかになる第6話・第7話と比べ、ドラマオリジナルキャラクターの記者が前に出てくる2024年の展開はやや緊張感に欠けるためだろうか。ドラマオリジナルの決着が配信人気にどれほど影響を与えるかも気になるところだ。

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新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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