『海のはじまり』7週首位、『西園寺さん』2位キープ…TVerドラマ人気ランキング
在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2024年7月には月間動画再生数が4.8億回、同1月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数（MAU）が3500万の過去最高記録を更新するなど成長は右肩上がりで続いており、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。
しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。
そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は8月17日（土）～8月23日（金）までを観測した結果をお伝えする。
6週連続1位『海のはじまり』の独走さらに強まる、『西園寺さん』は2位に上昇
今回の結果は以下のとおり。
今週もまだ一部作品の放送休止の影響が残った形となっているが、概ねオリンピック前の状況に戻っている。
首位は変わらずフジテレビ月9ドラマ『海のはじまり』で、これで7週連続の1位。さすがに前週比20ポイント減となったが、それでもTVer再生数ランキングでは総合トップ5に5日以上、最低順位は総合7位という圧倒的な強さで、2位との差は131ポイントまで広がった。
同ドラマは、主演の目黒蓮の体調不良にともない、26日に放送を予定していた第9話が1週延期となるが、代わって水季（古川琴音）と津野（池松壮亮）をメインとした完全新撮の特別編「恋のおしまい」を予定。お気に入り登録者数でも今期ドラマで圧倒的1位となる189.2万（24日0時時点／以下同）を記録する人気作だけに、特別編とはいえ来週も首位をキープできそうだ。なお全12話（特別編のぞく）となることが発表されており、見逃しの累計再生数もさらに数字を伸ばすことになりそうだ。
今週2位は先週に続きTBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』がキープ。お気に入り登録者数は今期3位の座をキープ（102.8万）と人気は安定しているものの、TVer再生数ランキングでは先週はほぼ全日にわたって総合トップ10内を維持していたが、今週は総合トップ10内の滞在期間は4日に縮小。これが響いて前週比48ポイント減に。
もっとも、これはTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』や日テレ土ドラ9『GO HOME～警視庁身元不明人相談室～』、同土ドラ10『マル秘の密子さん』の影響。先週はこれらが放送休止だった影響で火曜よる放送の『西園寺さん』は順位を伸ばしたが、放送が再開されたため今週は順位を落とした格好だ。実際、今週の456ポイントという数字はオリンピックの放送休止期間以前の水準であり、元の状態に戻ったといえるだろう。
1週休んで19日に第6話が放送された『ブラックペアン』は、本人気ランキングの集計都合上、今週は17日（土）～23日（金）を対象とするため、1週休みの影響がまだ出ており、今週は8位にとどまっているが、次週は元の水準のポイントに戻るはずだ。以前は2位常連だったが、次週どのような結果となるか楽しみだ。
今週3位は、こちらも先週に引き続きテレビ朝日木曜ドラマ『スカイキャッスル』。お気に入り登録者数の伸びは以前も指摘しているとおり鈍いものの、それでも第5話を終えて70.8万にまで到達。今期ドラマでは登録者10位だが、9位の『ビリオン×スクール』（77.9万）は週間で増加数が1万にも満たなくなってきたため、最終話までに『ビリスク』を抜く可能性はありそう。
そして今週4位は、テレビ東京ドラマプレミア23『夫の家庭を壊すまで』。先週は、5日の放送が休止だった影響がまだ残っていたため381ポイントにとどまって7位だったが、今週はトップ5に復活。また、4位の差はわずか8ポイント、3位との差も13ポイントのため、以前のようにトップ3に返り咲く可能性もじゅうぶん残っている。お気に入り登録者数も89.1万に達し、今期ドラマで登録者数5位の『新宿野戦病院』（89.3万）と僅差に。『カテコワ』は＋3万以上／週のペースで伸びているのに対し、『新宿野戦病院』は増加数が1万を切っており、次週『カテコワ』が抜き去るのは確実だろう。登録者数4位のテレ朝オシドラサタデー『青島くんはいじわる』（92.0万）との差もじわじわと縮めている。
繰り返しになるが、次週いよいよオリンピックによる放送休止の影響から抜け出し、通常に戻る。以前のように『ブラックペアン』のトップ3入りは確実だろうし、『GO HOME』もトップ15内に戻ってくるとみられる。18日にスタートしたABC制作のテレビ朝日系日曜ドラマ『素晴らしき哉、先生！』はTVer再生数ランキングの推移を見るかぎり次週もトップ15内に入る可能性は低い。次週はオリンピック以前とまったく同じような並びになるのか、それともまだ変動はあるのか。来週の結果が楽しみだ。
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