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『ふてほど』3週1位! 『マルス』大苦戦…TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年12月には月間動画再生数が3.98億回と過去最高を更新し、7月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)も2830万の過去最高記録に達するなど、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングのトップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は2月10日(土)~2月16日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『ふてほど』3週連続1位、『Eye Love You』減退でトップ3から転落

 今回の結果は以下のとおり。

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 TBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』は今週もトップとなり、これで3週連続1位に。初速の勢いはさすがになくなってきたものの、それでもTVer再生数ランキングでは安定して高順位をキープしており、今週も最低順位は総合12位で、ほぼ連日、総合トップ10内という強さだった。お気に入り登録者数は本コラムでの見立てどおり、17日0日時点で115.4万(前週比+13.3万)でついに『新空港占拠』を抜いて今期ドラマトップの座に君臨。ストーリーも第4話で、昭和と令和の人物の関連性が少しずつ明らかになり、物語が盛り上がってきているうえに、23日放送の第5話では錦戸亮がゲストとして5年ぶりに民放ドラマ出演という話題性も。このままトップを走っていくか。

 2位は2週連続でテレ朝土曜ナイトドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』。ABEMA・TVerなどの累計見逃し再生数は、第4話までで1500万再生超え(※2月12日までの累計)と話題の本作。TVerのみの再生数は不明ながら、深夜ドラマとしては、TVerの全話累計再生数が2000万に到達し歴代新記録を打ち出した日テレ金曜ドラマDEEP『夫婦が壊れるとき』(2023年)に迫りそうだ。

 前週は1位の『ふてほど』との差は52ポイントあったが、今週は27ポイント差にまで縮小。初回ほどの勢いはさすがにない『離婚しない男』だが、17日深夜放送の第5話には藤原紀香が強烈キャラ役で投入され、大きな話題になりそう。逆転はあるだろうか。

 3位も先週に引き続きフジ水曜ドラマ『婚活1000本ノック』。こちらは前週比51ポイントダウンとなったのが少々気になるところ。TVer再生数ランキングの推移を見てみると、先週は総合1位を2日にわたって獲得していたが、今週は1日に減少。総合トップ10およびトップ20滞在期間もわずかに減少しているのに加え、新エピソード配信後の初速が鈍っているのが目立った。とはいえ4位との差はまだまだ大きく、3位の座は安泰だろう。

 4位は先週5位からのワンランクアップとなったフジ月9ドラマ『君が心をくれたから』。順位は上昇したものの、ポイント上は前週比20ポイントダウン。TVer再生数ランキングにおける総合トップ10滞在期間が減少し、特に総合トップ15滞在期間は1日以上も減少と、全体的に下降気味だ。

 しかしそれ以上に下げ幅が大きいのがTBS火曜ドラマ『Eye Love You』で、前週比55ポイントダウンとなったために、先週4位だったのが『君ここ』に抜かれて今週5位となった。TVer再生数ランキングにおける総合トップ10滞在期間が大きく減少したことや、初速の衰えなど、全体的にダウンしていることが原因だ。とはいえ、TVerお気に入り登録者数は17日0日時点で106万(前週比+7.3万)と大台を突破し、今期ドラマ4位に。今期3位の『君ここ』(107.5万/17日0日時点)との差を縮めており、ともにラブストーリーということもあって『君ここ』との争いは激化しそうだ。

 なお、お気に入り登録者数の今期2位は、シリーズ前作『大病院占拠』からのお気に入り登録者数を引き継いでいるアドバンテージのあった『新空港占拠』の108.5万(17日0日時点)だが、前週比は+2.4万と伸び幅は小さく、お気に入り登録者数の今期2位の座はまもなく『君ここ』か『Eye Love You』のどちらかとなるだろう。

GP帯ながら『マルス-ゼロの革命-』がかなり厳しい状況

 4位と5位の入れ替え同様、順位変動はありつつもトップ15の顔ぶれは先週と同じで、この15作で固定化してきたという印象。ただ、フジ金曜ドラマ『院内警察』の落ち込みはやや気がかりで、前週比35ポイントダウンで先週13位から15位に。16位のカンテレ・フジテレビの火ドラ☆イレブン『リビングの松永さん』との差はわずか14ポイントで、『院内警察』の今後の推移によっては逆転される可能性もまだありそうだ。

 しかしゴールデン・プライム帯ドラマでさらに気がかりなのが、テレ朝火曜ドラマ『マルス-ゼロの革命-』。視聴率の厳しさも伝えられるところだが、『マルス』以上に視聴率が厳しい『婚活1000本ノック』は配信で成功しているのに対し、『マルス』は配信人気も大苦戦なのだ。

 本人気ランキングでは、先々週(1月27日~2月2日)が250ポイントで16位だったのが、先週(2月3日~2月10日)は177ポイント(前週比-77ポイント)で18位、そして今週は138ポイント(前週比-39ポイント)で25位までダウン。今月10日から配信がスタートした2009年のフジ月9『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』(今週18位)や、23時台のBSドラマ『夫婦の秘密』(今週23位)よりも下の順位にまでなってしまった。

 『マルス』のTVer再生数ランキングの推移を見ると、総合ランキングの最高順位は先週から8位、総合トップ20滞在期間はわずか2日という状況で、先週は最低順位が総合41位だったが、今週はトップ50圏外(ランキング外)が1日以上もあるなど、落ち込みがまだ続いている。お気に入り登録者数は17日0日時点で65.6万だが、前週比+0.6万とほぼ横ばいで、ドラマ開始は後発組(13日に第4話放送)だったにもかかわらず、早くも勢いがない。TELASAオリジナルでドキュメンタリー『ROAD TO ゼロ-道枝駿佑、新たなる挑戦-』を用意しているため、主演のファンはTELASAで視聴しているとも思われるが、TELASAのデイリーランキングを見るかぎり、こちらでもそれほど大きな反響はないようだ。20日放送の第5話にはキーパーソンとなるホスト役としてKAT-TUN・上田竜也が出演するとのことだが、勢いを呼び戻せるだろうか。

〈先週の記事はこちら〉

新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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