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　在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2024年1月には月間動画再生数が4億回、TVer単体の月間アクティブユーザー数（MAU）も3500万の過去最高記録を更新するなど変わらず成長を遂げており、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

　しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

　そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は3月16日（土）～3月22日（金）までを観測した結果をお伝えする。

『ふてほど』8週連続1位、『Eye Love You』上昇で『婚活1000本ノック』は5位に

　今回の結果は以下のとおり。

　今期の覇権ドラマとなったTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある！』はこれで8週連続の1位に。水曜の『となりのナースエイド』や木曜の『グレイトギフト』が最終回を迎えた影響もあって、TVer再生数ランキングでの順位も上昇し、ポイントは前週比35ポイントアップ。お気に入り登録者数もさすがに伸びは落ち着いたものの、前週比＋1.9万の138.9万（23日0時時点）で、今期2位の『Eye Love You』（118.7万／23日0時時点）に20万以上の差を付けるなど圧倒的。いよいよ次週29日に最終回を迎えるが、独走態勢はこのまま破られることはなさそうだ。

　先週まで波乱だった2位争いだが、今週はフジ月9『君が心をくれたから』が2位の座をキープ。18日についに最終回を迎えたが、最終回放送後のTVer再生数ランキングでは総合1位および総合トップ3滞在期間が伸びており、前週比35ポイントアップを果たした。プロデューサー氏が言っていたような「ハッピーエンド」であったかはともかく、ラブストーリーとしてしっかり盛り上がった形だ。

　3位も先週に続いてテレ朝土曜ナイトドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』がキープ。原作マンガとは大きく異なるストーリー展開となったが、鈴木おさむらしさがキャスト含め爆発し、16日放送の最終回も1時間拡大スペシャルとなったこともあってか、こちらもわずか9ポイントではあるが先週よりポイントを伸ばした。

　その『離婚しない男』に迫る勢いを見せたのは、TBS火曜ドラマ『Eye Love You』で、先週6位から今週4位へとジャンプアップ。もともとトップ5の常連だったが、先々週の3月2日～8日週と先週の3月9日～15日週の2週にわたって日テレ水曜ドラマ『となりのナースエイド』に押し出される形で6位に転落していた。『となりのナースエイド』の放送終了にともなって順位上昇自体は見込めていたが、今週は前週比41ポイントアップとなり、ずっと上位にあったフジ水曜ドラマ『婚活1000本ノック』を抜き去って4位まで上昇することに。

　TVer再生数ランキングの推移を見てみると、『Eye Love You』は総合トップ3および総合トップ10滞在期間が1日伸びており、競合ドラマが減った影響が大きいとみられる。19日に第9話を終え、いよいよ「心の声が聞こえる力」に隠された謎が明らかになりつつある『Eye Love You』は、ベタなラブストーリーであることを考えると、26日の最終回で大きく盛り上がること必至。『君ここ』『離婚しない男』『婚活1000本ノック』と上位常連が最終回を迎えたこともあり、次週は2位まで上昇することだろう。

　そして20日に最終回となった『婚活1000本ノック』は残念ながらいまひとつ伸びず、前週比7ポイントダウンで前週4位から5位に下落という結果に。小池（野村周平）と結ばれ、山田（八木勇征）が成仏するという結末が既定路線になっていたことに加え、このドラマらしい遊び心のあるコメディ要素が（最終回ということもあって）控えめだったことも影響したか。視聴率的にも最終回が同ドラマ最低となる2.0％という厳しい結果で、全話平均2.84％に終わったが、（フジは月9『君ここ』もそうだが）「リアルタイム視聴率は厳しくとも配信で支持された」という形の作品だったと言える。FODプレミアム限定で山田を主人公に据えた全3話のスピンオフ「山田クソ男の3本ノック」が配信スタートしたが、『silent』の時のようにTVerで配信されるコンテンツもあれば、もっとTVer人気は高かったかもしれない。

　また今週6位はカンテレ制作・フジテレビ系放送の月10ドラマ『春になったら』が先週8位より上昇。こちらも前週比49ポイントアップを見せており、TVer再生数ランキングの推移を比較すると、総合トップ10滞在期間は先週より1日伸び、総合トップ20滞在期間は1日以上伸びている。やはり競合ドラマの終了が大きく影響しただろうが、木梨憲武演じる父・雅彦の余命3カ月をたどる作品だけに、いよいよ25日に最終回を迎えるということで、視聴者の気持ちも高ぶっているタイミングでもある。毎話じんわりと泣かされるドラマだが、最終話の予告だけで涙がこらえきれないという視聴者も少なくない様子。次週どこまでTVer人気が伸びるか注目だ。

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