月9『君が心をくれたから』が圧勝！ TVerドラマ人気ランキング
在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年12月には月間動画再生数が3.98億回と過去最高を更新し、7月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数（MAU）も2830万の過去最高記録に達するなど、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。
しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。
そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングのトップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は1月13日（土）～1月19日（金）までを観測（1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック）した結果をお伝えする。
月9『君ここ』が首位に、『となりのナースエイド』は『おっさんずラブR』破る
今回の結果は以下のとおり。先週は改編期ということでトップ10に縮小したが、今回からふたたびトップ15でお届けする。
フジテレビ系月9ドラマ『君が心をくれたから』が今週1位に。6日（土）～1月12日（金）を対象とする先週は、8日スタートということで7日間フルでの集計とならなかったため8位発進となったが、初のフル集計では2位以下に圧倒的な差を付けて堂々の1位獲得となった。
先週の時点で勢いがあることを指摘していたが、実際、TVer再生数ランキングではもっとも低い順位が総合6位という高位置をキープしており、第1話の見逃し配信（TVer・FODの合計値）は16日時点で310万再生を記録。お気に入り登録者数も23.5万（6日0時時点）→62.7万（13日0時時点）→82.6万（20日0時時点）と伸び続けている。過酷で重苦しい内容がどう評価されるのか気になっていたが、（今後の展開次第でもあるが）TVer利用者のボリュームゾーンであるコア層には刺さる内容と言えそうだ。ただ、ライバルが増える次週はもう少し勢いが落ちるだろう。
2位は、同じく今週が初のフル集計となった日テレ水曜ドラマ『となりのナースエイド』。お気に入り登録者数は53.8万（20日0時時点）と伸びはやや鈍いが、3位のテレ朝金曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』を僅差で上回った。
『おっさんずラブR』のお気に入り登録者数は71.4万（20日0時時点）だが、これは過去シリーズを含めての数字であり、純粋な伸び幅だけで見れば、『となりのナースエイド』は前週から＋15.6万だったのに対し、『おっさんずラブR』は前週比＋13.4万と、『となりのナースエイド』のほうが勢いがあることがわかる。TVer再生数ランキングの推移を見ても、総合トップ5滞在期間では『おっさんずラブR』のほうがわずかに長いものの、総合1位滞在期間やトップ3滞在期間が『となりのナースエイド』のほうが長い。また、最低順位も『となりのナースエイド』は総合16位だったが、『おっさんずラブR』は総合18位と、『となりのナースエイド』のほうが下げ幅が（わずかだが）小さかったことも勝因だ。
『となりのナースエイド』は病院を舞台にした、コメディ色もあるヒューマンドラマのようでいて、川栄李奈演じる主人公の隠された過去にミステリー的な展開の予感も仄めかされている（〈このドラマには、誰も予想できない二転三転の裏がある〉とも謳われている）。『おっさんずラブR』もいつものOL劇場かと思いきや、井浦新演じる和泉周りのエピソードに賛否あるようだ。このあたりの要素がどのように転ぶか。
『婚活1000本ノックアウト』がダークホースに？
以下も『VIVANT』を除いて冬ドラマの新作が並び、ランキングの顔ぶれが一掃されたが、まだまだ冬ドラはこれから。21日に『厨房のありす』と『アイのない恋人たち』、23日に『マルス-ゼロの革命-』と『Eye Love You』が始まり、ようやく民放ゴールデン・プライム帯の連ドラがすべて出そろう。また、先週からスタートした『新空港占拠』や日曜劇場『さよならマエストロ』などの初のフル集計となり、順位が大きく動きそうだ。特に、『婚活1000本ノック』は配信2日で第一話の見逃し配信が110万再生を突破し（TVer・FODの合計値）、フジ水曜ドラマの新記録を打ち立てただけでなく、『新空港占拠』や『春になったら』を上回るペースとなっている。世帯視聴率的には厳しい出だし（初回3.6％）となった『婚活1000本ノック』だが、ダークホースとしてどこまで伸びるかも気になるところだ。
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