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『ふてほど』4連覇! 『君ここ』上昇&『婚活』下落…TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年12月には月間動画再生数が3.98億回と過去最高を更新し、7月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)も2830万の過去最高記録に達するなど、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングのトップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は2月17日(土)~2月23日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『離婚しない男』『婚活1000本ノック』ポイント減、『君ここ』上昇

 今回の結果は以下のとおり。

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 TBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』は変わらずの強さで、4週連続で首位獲得。前週比20ポイント減と勢いはやや衰えてはいるものの、それでも7日間中6日はTVer再生数ランキングの総合トップ10内におり、他を圧倒する強さがある。お気に入り登録者数も23日0日時点で123.4万(前週比+8万)で今期1位の座をキープしているが、先週は2位との差が6.9万だったのに対し、今週は12.9万差と倍近く広がっており、こちらも独走態勢。23日放送の第5話では錦戸亮のゲスト出演も反響を呼んでおり、次週も首位は堅そうだ。なおNetflixでは国内のテレビ番組「週間トップ10」で3週連続1位となっている。

 一方、本人気ランキング3週連続で2位となっているテレ朝土曜ナイトドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』は、第5話までのABEMA・TVerなどの累計見逃し再生数はついに2000万回を突破(1月21日~2月21日)したものの、以前から勢いが下がってきたことを指摘してきたとおり、今週はついに前週比56ポイントダウンとなり、500ポイント台を割る結果に。3位との差は、先週は61ポイントもあったが、今週は23ポイント差と大きく縮まっており、今後2位の座を明け渡す可能性も見えてきた。ストーリーがあまり進まないため、“悪妻”の綾香(篠田麻里子)よりも主人公の渉(伊藤淳史)にイライラする向きも出ているようだ。藤原紀香の投入でますますコント化が進みそうだが、はたして吉と出るか。

 そして今週3位は、フジ月9ドラマ『君が心をくれたから』に。先週は、前週比20ポイントダウンながら(前週の『Eye Love You』の落ち込みのおかげで)5位→4位と上昇したが、今週は前週比10ポイントアップとやや回復して3位に踊り出ることに。第7話まで終わり、味覚、嗅覚、触覚と奪われた雨(永野芽郁)にはついに視覚を失うカウントダウンが迫り、物語も大詰め。ハッピーエンドを予定しているらしいものの、そうとは思えない話の流れだが、このまま3位を維持できるだろうか。

 4位は、TBS火曜ドラマ『Eye Love You』が先週5位からワンランクアップ。こちらも、先週は前週比55ポイントダウンで3位→5位となっていたが、今週は前週比15ポイントアップとやや復調した。お気に入り登録者数は23日0日時点で110.5万(前週比+4.5万)となり、『新空港占拠』(110.2万/23日0日時点)や『君ここ』(109.3万/23日0日時点)を抜いて一気に今期2位に踊り出ている。三角関係が本格化する一方で、侑里(二階堂ふみ)が「心が読める」ことになった事件にテオ(チェ・ジョンヒョプ)が何かしら関係していることが示唆されているが、ここでふたたび盛り上がっていけるか。

 2週連続で3位だったフジ水曜ドラマ『婚活1000本ノック』は今週5位にダウン。前週比32ポイントダウンとなっており、これが(『婚活1000本ノック』とは対照的に今週はポイントを回復させた)『君ここ』『Eye Love You』の順位を押し上げた要因となっている。TVer再生数ランキングの推移を前週と比較して見てみると、総合トップ3滞在期間は変わらないものの、総合トップ10滞在期間が減少、総合トップ15滞在期間にいたっては1日以上減っており、下げ幅が大きくなっている。これまで1話完結スタイルだったのが、第5話・第6話で2話にまたがり、コメディとしてのテンポがやや下がったことも影響したのだろうか。婚活に不毛な結論を見出しそうな綾子(福田麻貴)は28日放送の第7話では幽霊の山田(八木勇征)とヨリを戻そうとするようだが、第6話ラストでは主要キャストのひとりであるはずの小池(野村周平)の再登場もあり、今後のTVer推移もさることながら、どういう着地点に向けてストーリーが進んでいるのか読めないところも気になる作品だ。

日テレ『となりのナースエイド』好調、TBS『さよならマエストロ』は下落

 トップ5以下も入れ替わりが多く、先週6位と7位が入れ替わった日テレ水曜ドラマ『となりのナースエイド』とテレ朝金曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』は再び順位が入れ替わり、6位『となりのナースエイド』、7位『おっさんずラブR』に戻った。『おっさんずラブR』は前週比21ポイントダウンとなった一方、『となりのナースエイド』は前週比23ポイントアップと好調だ。

 TVer再生数ランキングの推移を見てみると、『となりのナースエイド』は総合トップ10滞在期間が前週より伸びており、最低順位も前週39位から今週35位と上昇している。第6話ラストから主人公の姉・唯(成海璃子)の死をめぐるミステリーが加速しているのが好調の要因か。28日放送の第8話ではいよいよ大河(高杉真宙)の過去も明らかになる様子。視聴率も全話平均7.85%と民放ドラマで今期3位に位置付けており、TVer人気がここからどう推移するかも注目だ。

 一方で、視聴率では民放ドラマで今期2位(10.8%)と日曜劇場のブランドの強さを感じさせるTBS『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』は、以前からTVerで伸び悩んでいたが、今週は前週比30ポイントダウンとなり、ついに10位まで下降。TVer再生数ランキングでは総合トップ10滞在期間、総合トップ15滞在期間ともに減少しており、全体的に勢いがさらに落ちている。副題どおり、元世界的マエストロの俊平(西島秀俊)と娘の響(芦田愛菜)の関係修復がメインテーマなのだろうが、第5話でようやく一歩前進を見せたものの、肝心の関係が壊れた理由にいまひとつ説得力がなかったこともあり、響が遅れた反抗期を見せているだけのような気難しい娘状態となっているのが気がかり。

 視聴率が好調なだけにTVer人気も維持できることを期待したい『さよならマエストロ』だが、同じ日曜放送の日テレ『厨房のありす』は前週比33ポイントアップとなって同率10位に。同作は13位→13位→12位と推移してきたが、これで初のトップ10入り。『厨房のありす』も、『となりのナースエイド』のようにミステリー要素が徐々に強まってきており、18日放送の第5話では倖生(永瀬廉)と心護(大森南朋)の思わぬ関係性も明らかに。視聴率も上向いてきているなど伸びを見せているだけに、『さよならマエストロ』がトップ10の座から脱落する可能性も見えてきた。

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新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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