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冬ドラマ「TVer+視聴率」総合ランキング、覇者は『ふてほど』! TBSドラマが絶好調

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 いよいよ春ドラマの季節がやってきたが、ここで冬ドラマを振り返りたい。笑いアリ、涙アリ、つっこみアリの多彩な作品が彩ったが、毎週お届けしているEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」の結果と、世帯視聴率の結果を総合することで、「視聴率でもTVerでも好調だった作品は?」という問いに対する答えを考えてみる。

 下の表は、TVer人気100点、視聴率100点の合計200点でスコアを算出し、ランキング化したもの。TVer・視聴率いずれも最高得点のものを100とし、それに応じてスコアを導き出した。

 例えば視聴率では、全話平均でもっとも高かった『相棒 season22』の11.07%を100点とし、全話平均10.73%だった『さよならマエストロ』は96.9点となる。TVerは、1日2回、決まった時間にTVer再生数ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付けてきた「TVerドラマ人気ランキング」における1月1日~4月5日の間のポイントをすべて合計し、話数で割ったものを「平均ポイント」としており、もっとも平均ポイントの高かった『不適切にもほどがある!』の543.5ポイントを100点として計算している。平均ポイント順のTVerランキングおよび視聴率ランキングは最下段に掲載する。

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 やはりと言うべきか、今期最大の話題作でもあったTBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』が総合スコアで1位となった。『不適切にもほどがある!』は毎週のTVer人気ランキングでもお伝えしてきたように、TVer人気では常に他を圧倒して首位を維持しており、10週連続1位、つまり全10話すべてで1位を獲得。このTVerのスコアが100点満点となったのに加え、視聴率では全話平均7.41%で、民放ゴールデンプライム帯では今期4位と、こちらも健闘した。まさに「視聴率でもTVerでも好調だった作品」だったと言えるだろう。最終話最後のテロップに込められたメッセージ(風刺)含め、円熟のクドカン節が広く支持されたドラマだった印象だ。

 続いたのはTBS日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』。TVer人気では今期11位と劣勢だったが、視聴率は全話平均10.73%と大台に乗せた。全話平均視聴率10%以上となった作品は、『相棒 season22』(今期1位)とこの『さよならマエストロ』(今期2位)の2作品のみで、他は8%以下と差がついているため、視聴率のスコアが高くなったことが総合2位へと押し上げた大きな要因となっている。作品そのものは、主人公の経歴、娘の父親に対する態度の理由、『リバーサルオーケストラ』との類似性(ストーリー展開まで含め)などなど、引っかかる部分が多いドラマだったように思えるが、日曜劇場ブランド強し、と言ったところか。怒ってばっかりの芦田愛菜をのぞけば、気楽にのんびり見られる作品であったこともよかっただろう。

 TBSドラマは、火曜ドラマ『Eye Love You』も総合5位(TVer人気5位、視聴率7位)にランクインしており、今期は非常に好調だったと言える。春ドラマでは、長谷川博己主演の日曜劇場『アンチヒーロー』が北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎、岩田剛典、迫田孝也、浪川大輔、渡邊圭祐、山下幸輝など多彩な40名のキャストを発表しており、特に『VIVANT』出演陣(バトラカ役の林泰文など10名以上)が多く投入されていることも話題になっているが、『VIVANT』のような旋風を巻き起こせるか。注目だ。

 TBSに続くのが日本テレビだろうか。日テレ水曜ドラマ『となりのナースエイド』は総合3位となった。TVer人気も6位と健闘したが、特に視聴率は全話平均7.74%で今期3位と好調だったことも大きかった。

 日テレはこの『となりのナースエイド』をもって水曜ドラマ枠を終え、杏主演で同枠でシリーズ化された『花咲舞が黙ってない』を新たに設置した土曜21時枠「土ドラ9」で今田美桜主演でリブートする。このところ不調だった水曜ドラマ枠だが、『となりのナースエイド』がまずまずの成績を納めたにもかかわらず枠終了となるうえ、『花咲舞』は前シリーズからまだ10年経っておらず、キャスト一新という不安要素もあり、土ドラ9がいいスタートを切ることができるか気になるところ。日テレは他に土曜ドラマ『新空港占拠』が総合7位に(TVer人気10位、視聴率6位)、日曜ドラマ『厨房のありす』が総合12位(TVer人気12位、視聴率10位)となった。

フジ金曜ドラマ、テレ朝火曜ドラマは盛り返せるか

 フジ月9ドラマ『君が心をくれたから』はTVer人気3位と支持されたが、視聴率が全話平均5.78%と伸び悩み、今期8位となったことで総合では4位に。この形の最たるものが水曜ドラマの『婚活1000本ノック』で、こちらもTVer人気は4位と好調だったものの、視聴率は全話平均2.84%という厳しい結果で今期最下位と、視聴率面が足を引っ張って総合10位となった。そのほか、月10の『春になったら』は総合8位(TVer人気8位、視聴率9位)、金曜ドラマの『院内警察』は総合13位(TVer人気14位、視聴率11位)だった。

 平日22時台はもともとテレ朝『報道ステーション』が強く、ドラマの視聴率が伸びにくい枠ではあるのだが、水曜の『婚活1000本ノック』は同時間帯の日テレ『となりのナースエイド』の健闘もあり、視聴率はかなり低い水準になった印象。もともとTVerでの反響や視聴者人気が高い作品が多い枠のため、日テレの水曜ドラマ撤退により、春からはもう少し伸びるかもしれない。このタイミングで山下智久主演の『ブルーモーメント』を投入するフジは幸運なのか計算高いのか、いずれにせよこの追い風でどこまで伸びるか注目だ。

 フジの金曜21時枠は、第一弾の『うちの弁護士は手がかかる』はTVer人気も強く、視聴率もまずまず(全話平均6.56%で秋ドラマで4位)だっただけに、続く『院内警察』でつまずいてしまった格好。第3弾は篠原涼子&バカリズム共演の『イップス』で、『うちの弁護士』路線のコメディになりそうだが、脚本も『となりのナースエイド』を成功させたオークラであり、何より『バカリズム THE MOVIE』『素敵な選TAXI』にも関わるなどバカリズムとの付き合いも長いだけに、バカリズム×オークラという部分でも惹かれる層もいそうで、こちらも注目したい。

 さてテレビ朝日だが、もっとも順位が高かったのは『相棒 season22』の総合6位(TVer人気は17位、視聴率1位)で、木曜ドラマ『グレイトギフト』は総合8位(TVer人気13位、視聴率5位)。火曜ドラマ『マルス-ゼロの革命-』は視聴率が発表されていないため、推定で全話平均3.6%と仮定したが、いずれにせよ『マルス』はTVer人気が壊滅的で、『相棒』をも下回る18位だったため、総合では間違いなく最下位となる。

 テレ朝ドラマは視聴者の年齢層が高いため、視聴率こそ伸びるものの配信が弱いのが常だったが、ここ最近は火曜ドラマの『星降る夜に』(2023年)や木曜ドラマの『六本木クラス』(2022年)で配信人気も得ていただけに、若手俳優をメインキャストにした『マルス』の大不振は気になるところ。深夜帯では『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』がTVer人気2位、『おっさんずラブ-リターンズ-』がTVer人気7位に食い込むなど好調だが、『離婚しない男』は『おっさんずラブ』以上に“飛び道具”な作品だったこともあり、評価が難しいところでもある。火曜の春ドラマは石原さとみ主演の『Destiny』で、ギャラクシー賞に輝いた『その女、ジルバ』(2021年)、『リエゾン-こどものこころ診療所-』(2023年)が好評だった吉田紀子の脚本によるサスペンスラブストーリーということで、配信人気も盛り返せるか。

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〈先週のTVer人気ランキングはこちら〉

新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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