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『GTOリバイバル』1位、 “最愛系”『Destiny』好調な滑り出し…TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2024年3月には月間動画再生数が4.5億回、同1月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)が3500万の過去最高記録を更新するなど成長は右肩上がりで続いており、無料見逃し配信サービスとしてのTVerはもはや定番となった。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェックし、総合トップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は4月6日(土)~4月12日(金)までを観測した結果をお伝えする。

『GTOリバイバル』1位に、新作春ドラでは『Destiny』が好調な滑り出し

 今回の結果は以下のとおり。先週は改編期ということもあり本人気ランキングをお休みしたが(代わって「TVer+視聴率」の冬ドラマ総合ランキングをお届け)、今回もまだ大半の春ドラマがスタート前ということで、通常のトップ15からトップ10に縮小してお届けする。

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 今週1位となったのは、4月1日に放送されたカンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ『GTOリバイバル』。1998年放送の反町隆史主演版ドラマが26年ぶりに復活したもので、ストーリー的には『GTO』を令和に復活させることの難しさを感じさせるものだったが、小栗旬や窪塚洋介ら98年版の一部生徒の出演に加え、松嶋菜々子との夫婦共演が実現したこともあって反響は大きく、民放単発ドラマの再生数で歴代1位となる、1週間で無料見逃し配信(カンテレドーガ、TVer)370万回再生という新記録を打ち立てた。

 今週の本人気ランキングは4月6日(土)~4月12日(金)を対象としており、10日(水)にはトップ5から脱落していたが、それでも6日0時~7日昼まではTVer再生数ランキングで総合1位を独占する強さを見せ、本人気ランキングでも1位に躍り出た形だ(なお先週の本人気ランキング1位と2位は、最終回だった『不適切にもほどがある!』と『大奥』)。

 今週2位は、4月3日にいち早くスタート(U-NEXTでは1週間先行で3月27日開始)していたテレ東のドラマNEXT『好きなオトコと別れたい』。堀田茜演じる主人公が、毎熊克也演じるヒモ体質のダメ男に振り回されるラブコメで、TVer再生数ランキングでは総合3位に1日以上滞在、総合トップ10に5日以上滞在するなど、深夜ドラマとしては好調な滑り出し。もっとも競合となる新作がほとんど始まっていない時期ということもあり、次週以降はポイントを落とすだろう。

 今週3位は、4月2日深夜スタートの日テレドラマDEEP『肝臓を奪われた妻』。韓国のウェブトゥーンが原作となる復讐モノで、深夜ドラマとして記録的な見逃し再生数をたたき出した『夫婦が壊れるとき』や、前期の『消せない「私」ー復讐の連鎖ー』を放送してきたドラマDEEP枠らしい内容。

 今期から「金曜ドラマDEEP」から「ドラマDEEP」となり、放送枠が火曜深夜に変わっただが、興味深いのは、EPG(電子番組表)上ではバラエティ番組『上田と女がDEEPに吠える夜』との抱き合わせ(「上田と女がDEEPに吠える夜/肝臓を奪われた妻」として55分枠になっている)になっている点だ。日テレは月・火・水の23:59〜00:54を今期から同様の編成にしており、月曜は『大悟の芸人領収書』と『THEパニックGP』、水曜は『こどもディレクター』と『ロロロロ』がEPG上でひとつの枠にまとめられている。TVerでは別番組に分かれるので特に影響はないが、この試みは何か意味があるのだろうか。特に火曜はバラエティとドラマという抱き合わせで、あまり食い合わせがよくないように思えるが……。

 今週4位には、4月6日スタートの東海テレビ制作のフジテレビ系土ドラ『おいハンサム!!2』がランクイン。2022年放送の吉田鋼太郎主演ホームドラマの新作で、6月21日には劇場版の公開も予定されている。

 以降、新作ドラマがランクインしてきているが、好調な滑り出しを見せているのが4月9日スタートのテレビ朝日系火曜ドラマ『Destiny』で、4月6日(土)~4月12日(金)を対象とする今週の本人気ランキングでは集計されるのが3日ほどと不利なため10位となったが、TVer再生数ランキングでは水曜夜から金曜昼まで総合1位を独占していたのだ。

 石原さとみの3年ぶり連ドラということでも注目を集めているが、この火曜ドラマ枠としては『unknown』のようなラブサスペンス要素があり、オリジナル脚本ということもあって「過去に何があったのか」という真相がどのように導かれるのか、演出と脚本の腕が問われるところ。過去と現在のストーリーで見せる構成や、メインキャラクターが容疑者となる(とみられる)こと、過去の“事件”の謎、劇伴の雰囲気、田中みな実の出演(と途中退場)など、2021年に大きな反響を呼んだTBS系『最愛』を思い出したという声も多い。お気に入り登録者数では、ドラマが開始するまでは数字が大きく動かないためまだ判断材料が少ない段階ではあるが、すでにスタートしている作品も含めて現時点で今期ナンバーワンとなる67.1万(13日0時時点/以下同)まで増えており、『Destiny』より1日早い8日スタートだったフジ月9『366日』の59.7万(現時点で今期2位)になかなかの差を付けていることを考えると、今期の注目作となりそうだ。『unknown』のようなことにならなければいいが……。

 12日には篠原涼子×バカリズムのフジ系金曜ドラマ『イップス』が、13日には今田美桜主演の日テレ系土ドラ9『花咲舞が黙ってない』、14日にはTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』などもスタートし、春ドラマが活気づき出す。次週の1位はどの作品が制するのか、注目だ。

〈先週の記事はこちら〉

新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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