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『すき花』首位揺らがずも『マイハル』2位に急上昇…TVerドラマ人気ランキング

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 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年5月には月間動画再生数が3億5877回と過去最高を更新し、7月にはTVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)も2830万の過去最高記録に達するなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングのトップ50の順位に対しポイントを付け、合計した結果からEI VISION独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は11月25日(土)~12月1日(金)までを観測(1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック)した結果をお伝えする。

『すき花』8週首位の裏で『マイハル』が2位へ急上昇

 今回の結果は以下のとおり。

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 フジ木曜劇場『いちばんすきな花』の強さは変わらず、放送直後をのぞいて常にTVer再生数ランキングの総合トップ10をキープし、本人気ランキングでも2位に27ポイント差で8週連続で首位をキープした。お気に入り登録者数の伸びはさすがに鈍ってきたが、それでも前週比+3.5万で144.9万(12月2日0時時点)で、2位の『うちの弁護士は手がかかる』(116.1万、12月2日0時時点)との差は大きい。ストーリー的には終盤ながらどのようにまとまるかも読めず、このまま1位の座を維持しそうだ。

 フジ金曜ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』は『すき花』との差を縮めながらも8週連続で2位に甘んじているが、今週同率2位となったのが、TBS火曜ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』だ。

 『マイハル』は11月21日放送の第6話で終盤、北朝鮮のミサイル発射によるJアラート発令によって番組が途中終了したことでTVer見逃し需要が高まったことは先週も指摘したが、実際、23日(木)昼にTVer再生数ランキングで総合首位となり、その後28日放送までトップ10内をキープ。これまでは、次回放送直前にはよくてトップ20内で、トップ20から脱落することも珍しくなかったことを考えると、通常週よりもかなり再生が伸びたことがうかがえる。さらにこの第6話の見逃し期間が(通常の1週間ではなく)12月5日21:59までの2倍に延長され、第7話は第6話の未放送部分を加えた拡大版で放送されるという配慮があり、しかも第6話の未公開カット(キスシーンの別角度など)も含まれていたこともあって、今週もTVer再生数ランキングで総合トップ10をキープし続ける強さを見せた。

 次週はさすがにこの勢いが続くことはなさそうだが、佐弥子(広瀬アリス)と交際することになってからの拓(道枝駿佑)のデレぶりが反響を集めており、気楽に見やすい(悪役がおらず、恋愛ドラマあるあるのトラブルやすれ違いなどの障害も後に引っ張ることなくサクサク解決する)というこのドラマの性質とも相性がいいため、トップ5の座は変わらずキープするだろう。恋愛ドラマは最終回付近でピークが生まれやすいため、ここからどこまで盛り上がっていけるか。

 トップ9の顔ぶれは先週と同じだが、日テレ水曜ドラマの『コタツがない家』が前週8位から7位へとランクアップした一方、日曜ドラマのほうの『セクシー田中さん』は前週3位から5位にダウンとなったのが少々気がかりなところ。どちらもドラマ好きからの評価は高いのだが、特に『セクシー田中さん』は泣けるストーリー展開が続いているものの、前週比20ポイントダウンとなっている。TVer再生数ランキングの推移を見てみると、前週は総合トップ5に3日以上ランクインしていたものの、今週は2日と減少しているのが大きな要因のようだ。

 10位以下の変動もあったが、フジテレビ開局65周年記念の一環で配信中のフジ月9ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(2015年放送)は当初の勢いがなくなり、前週10位から今週15位にダウンしたのが大きなトピックか。同様に前週14位だった2008年放送のフジ木曜劇場『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』も16位にダウンしている。こうした中で、最終回が近づいてきた日テレ木曜ドラマ『ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜』が『コード・ブルー』に代わって再びトップ15に返り咲き。そして、いち早く最終回を迎えたフジ水曜ドラマ『パリピ孔明』もややポイントを上げ、前週13位から今週11位へとわずかに順位を上げたが、トップ10入りはならなかった。

 なお、本コラムでは前回、フジ月9『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』のお気に入り登録者数の減少問題について触れたが、73.4万(11月25日0時時点)→73.5万(12月2日0時時点)と今週はわずかに回復(本人気ランキングでの順位は先週に引き続いて9位)。しかし、筆者の予測通り、『下剋上球児』(72.4万→74.5万)に抜かれ、お気に入り登録者数で今期8位にまで転落した。まだ序盤だった1カ月前の時点では今期5位だったことを考えると、非常に厳しい状況だ。10位とのポイント差は依然大きいものの、このまま9位の座を守り抜けるのか、こちらも注視したい。

〈先週の記事はこちら〉

新城優征(ライター)

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

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