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『ブギウギ』あなたが笑えば私も笑う――スズ子と愛子を助ける人たち(第21週)

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イラスト/渡辺裕子

 先週まで赤ちゃんだったスズ子(趣里)の娘・愛子ちゃん。第21週になって、ずいぶん成長しましたね。子どもが大きくなった分だけ、大人も歳をとって変化が起きている。スズ子は喜劇役者タナケン(生瀬勝久)の映画に出ることになり、いたずらな愛子ちゃん(小野美音)のワンオペ子育てとの両立で多忙。愛子ちゃんが粉をぶちまけた場面では「ひー!」と声が出てしまいました。あれをどうやって片付けたんだろう、想像したくない。一方、歌一筋の茨田りつ子(菊地凛子)は、思うように声が出なくなり苦しんでいる。

 そんなふうに忙しかったり気持ちがモヤモヤしている時は、冷静な判断ができなくなるもの。雑誌記者の鮫島(みのすけ)が書いた記事のせいで、スズ子と茨田さんはお互いに相手が自分のことを悪く言っていると思い込み、鮫島が用意した対談の場ではいっそう話がこじれていく。全部お前が悪い!と頭をぐりぐりしたくなる鮫島ですが、彼よりも、彼が書いた記事を好んで読んでいる人たちのほうが、実は悪ではないかなあ。「子ども連れてきたら、職場は困るよね」「誰か雇えばいいのに」……と、スズ子を見ながら気軽に勝手なことを言っている私も、鮫島の雑誌の読者とあまり変わらないかも。もし自分が2人のように悩んでいて、なおかつそんないらない意見の雑音にさらされていたら、心にギュッと蓋をして閉じこもってしまいそう。だからそんな蓋をはねのけて、思い切ってスズ子の家を訪ね、「ごめんなさい」と頭を下げた茨田さん、本当にすばらしい。愛子ちゃんに話しかけるときだけ使う、青森の言葉も優しい。

 スズ子たちの様子を見た茨田さんの紹介で、家政婦の大野さん(木野花)が登場。ためらいながらも任せてみると、家はきれいに片付き、おいしいご飯が用意されている。愛子ちゃんはとにかく手を動かしたくて、障子を破いたり粉をぶちまけたりしちゃってたんですね。その気持ちを、障子にかわいい花の紙を貼るなどの「お手伝い」に向けてくれた大野さんはまさにスーパー家政婦。「これがらは、わだすがいます。頼ってけ」と言われてホッとしたスズ子の涙にもらい泣きしました。悩むスズ子を「芸で伝えるしかない」と励まし「一番近くで君を見ていた彼女が君を認めてる」と愛子ちゃんの気持ちを教えるタナケンも、よかったですね。

 無事に映画も完成し、「なんだ仲直りしちゃったのかー」なんてお気楽な服部先生(草彅剛)によって、新曲のヘイヘイブギーもできた。あなたが笑えば私も笑う。周りの人たちに助けられ、スズ子と愛子ちゃんの笑顔の毎日は続いていきそう。しかし次週予告では、山下さん(近藤芳正)がなんだか元気がないような。タナケンも同じく……ああ、また大事な人がいなくなるんでしょうか、心配。

■番組情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ
[NHK総合] 月~金 8:00-8:15 / 月~金 12:45-13:00(再放送)
[BSプレミアム・BS4K] 月~金 7:30-7:45 / 土 9:45-11:00(再放送)
[見逃し配信] NHKプラス

出演:趣里、水上恒司/草彅剛、蒼井優、菊地凛子、小雪、生瀬勝久、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
作:足立紳 櫻井剛
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里「ハッピー☆ブギ」
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
演出:福井充広、鈴木 航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原 誠ほか
プロデューサー:橋爪國臣
制作:NHK
公式サイト:nhk.jp/boogie

渡辺裕子(イラストレーター/コラムニスト)

渡辺裕子(イラストレーター/コラムニスト)

テレビ大好きイラストレーター。
テレビや映画について書いてるnote → http://note.mu/satohi11

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