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『ブギウギ』“朝ドラあるある”な「ヒロインが成長した娘に反抗される」第24週

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イラスト/渡辺裕子

 スズ子(趣里)とりつ子(菊地凛子)が歌とラインダンスで盛り上げ、羽鳥(草彅剛)の「作曲二千曲記念ビッグパーティー」は大成功。スズ子の「喜ばせたい、楽しませたい」エンターテインメント精神はますます絶好調なのに、その気持ち、娘にだけうまく伝わらないよう。愛子(小野美音)の8歳の誕生日に近所の人たちを招待して盛大にパーティーを開催したけれど、主役の愛子に笑顔はなく、気を揉むスズ子。

 ……ああ、またこの季節がやってきてしまった。朝ドラあるあるな「いろんな困難を乗り越えてきたヒロインが、成長した娘に反抗される話」だった第24週。朝ドラ大好き民ではあるのですが、この母娘確執ウィークだけはいつも眉間にシワを寄せてテレビを見ています。「仕事ばかりしてきた私は、母としては全然ダメね……」みたいな流れ、見てるとしんどいんですよー。なくてもいいんだけどなあ、個人的に。

 はな湯で大人たちにかわいがられ友だちもたくさんいた、陽気で誰とでも仲良くなれるスズ子には、内向的でひとり遊びばかりしている娘が理解できない。「かわいそうな愛子。よっしゃ、友だちを作れるようにマミーが手伝ってあげよう!」ってはりきってごちそうで子どもたちを呼んだんだろうけど……本当に「余計なお世話や!」ですよねえ。いいじゃないですか、ひとりで家で遊んでも。

 スズ子からの度重なる「友だち作れ」「友だちと遊べ」攻撃にさらされ、なのに初めてできた友だち・一(井上一輝)と遊んで帰ってきたら「何でこんなに遅かったんや! もっとはように帰ってこんとあかんがな!」と責められる愛子、あまりにもかわいそう。娘を誘拐するという脅迫を受けて心配していたからとはいえ、愛子に対して理不尽すぎるぞスズ子。

 と、スズ子に対してぷんすか怒っている気持ちをやわらげる、内藤剛志さん演じる高橋刑事の登場。彼が出てきただけで朝ドラが他局の刑事ドラマになり、ホシ……ではなく、犯人を必ず捕まえてくれると確信できる。スズ子にサインをもらいたがる刑事たち・タケシ(三浦りょう太)と犯人のドタバタ劇・取調室でのカツ丼など、なんだかゆるーい空気になりましたが、「子どもの誘拐」「貧富の差」「エンタメは富のある人たちだけのものなのか」などのヘビーな話の週だったので、このくらいゆるゆるじゃないと、見ていてきつかったかもしれないです。

 無事に事件は解決、犯人は逮捕、犯人の息子だった一は親戚に引き取られて転校するけれど、愛子との友情は変わらず。素直に気持ちを語りあったスズ子と愛子も仲直り、これで母娘確執ウィークも終了ですね、ああよかった……けれど次週予告がなんとも不穏、あの若い女性はもしかして?

■番組情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ
[NHK総合] 月~金 8:00-8:15 / 月~金 12:45-13:00(再放送)
[BSプレミアム・BS4K] 月~金 7:30-7:45 / 土 9:45-11:00(再放送)
[見逃し配信] NHKプラス

出演:趣里、水上恒司/草彅剛、蒼井優、菊地凛子、小雪、生瀬勝久、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
作:足立紳 櫻井剛
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里「ハッピー☆ブギ」
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
演出:福井充広、鈴木 航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原 誠ほか
プロデューサー:橋爪國臣
制作:NHK
公式サイト:nhk.jp/boogie

渡辺裕子(イラストレーター/コラムニスト)

渡辺裕子(イラストレーター/コラムニスト)

テレビ大好きイラストレーター。
テレビや映画について書いてるnote → http://note.mu/satohi11

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